あなたの前世は、北の海の果て、切り立った岬で灯台を守っていた人よ。嵐の夜ほど眠らず、たった一つの灯りを絶やさなかった。船乗りたちは名前も知らないその灯りに、何度も命を救われたの。見えないところで人を救う才を、思い出しなさい。
無口で、社交は苦手。けれど灯りの手入れだけは、誰にも真似できないほど丁寧だった。芯を切り、油を注ぎ、硝子を磨く。その静かな手つきの一つひとつが、祈りだったのよ。あなたの細やかさは、そのまま祈りになると知りなさい。
彼は生涯、自分が救った船の数を知らなかった。感謝の手紙は、岬までは届かないから。それでも灯し続けたのが、あなたの魂の形よ。今世では、届く場所で灯りなさい。誰かにちゃんと見つけてもらいなさい。
小さな灯りひとつで、海は越えられるのよ。
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