猫のゴロゴロ音は甘えている時だけでなく、痛みや不安を感じている時にも出ることがあり、自分を落ち着かせたり回復を促したりするセルフケアの役割があると考えられています。 Purring isn't just for happy moments — it may even help cats heal.
猫のゴロゴロ音は、喉の奥の筋肉が1秒間に25〜150回のスピードで震えることで生まれる音。甘えている時だけでなく、痛みや不安を感じている時にも鳴らし、自分を落ち着かせたり回復を促したりするセルフケアの役割があると考えられています。
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喉の奥の筋肉が、高速で振動している
あの音の正体は、喉の奥にある筋肉が呼吸に合わせて高速で震え、空気の通り道を振動させることで生まれる音なのです。具体的には、喉頭(声帯まわり)にある筋肉が1秒間に25〜150回というスピードで収縮と弛緩を繰り返しており、吸うときも吐くときも途切れずに音が続くのが特徴です。この筋肉の動きは猫自身の意思でコントロールされていると考えられており、まさに「鳴らそうと思って鳴らしている」音なのです。
実は「痛い時」「不安な時」にも鳴らす
結論から言えば、猫は嬉しい時だけでなく、怖い時や体調が悪い時にもゴロゴロ音を出し、それは自分を落ち着かせたり回復を促したりするセルフケアの側面を持つと考えられています。ゴロゴロ音は甘えている時や撫でられて気持ちいい時の代表的な仕草として知られていますが、実際には動物病院で怖がっている時や、出産の最中、さらには体調が悪く弱っている時にも鳴らすことが報告されています。
- 甘えている時・撫でられて気持ちいい時:代表的なリラックスのサイン
- 動物病院などで怖がっている時:自分を落ち着かせるため
- 出産の最中:緊張やストレスを和らげるため
- 体調が悪く弱っている時:回復を促すセルフケアの可能性
周波数が骨や筋肉の回復を助ける?という研究
ゴロゴロ音の周波数帯が骨の治療に使われる低周波振動と重なるという研究報告はありますが、治癒効果そのものが実証されたわけではなく、あくまで仮説の段階です。2001年に音響研究者エリザベス・フォン・ムッゲンターラー氏がネコ科44種のゴロゴロ音を分析したところ、周波数帯はおおよそ25〜150Hzに集中しており、中でも25Hzと50Hzは整形外科領域で骨折治療や骨密度維持のために使われてきた低周波振動治療の帯域と重なっていたと報告されています。
猫は他の動物に比べて骨折や落下によるケガからの回復が早いとよく言われ、この「セルフ振動療法」がその一因ではないかという仮説につながっています。まだ仮説の域を出ない話ですが、あの気持ちよさそうな音に体を治す力まで秘めているとしたら、なんとも不思議な話です。
出典: von Muggenthaler, E. "The Felid Purr: A Healing Mechanism?" The Journal of the Acoustical Society of America, 2001. pubs.aip.org
ライオンやトラなど大型のネコ科動物は、喉の骨の構造がイエネコと異なるためゴロゴロ音を出すことができません。その代わりに大きな声で吠えることができ、これはイエネコにはできない芸当。ゴロゴロ鳴けるか、吠えられるかは、いわばネコ科の中でのトレードオフなのです。
ミニクイズ:猫のゴロゴロ音は甘えている時にしか出ない?(タップして答えを見る)
こたえ×。猫は嬉しい時だけでなく、怖い時や体調が悪い時にもゴロゴロ音を出すことがあり、自分を落ち着かせたり回復を促したりするセルフケアの側面を持つと考えられています。